ココロ、カタチ(BRAVE10夢)
□壱の章
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静まり返った森の中。
そこには少女が一人………否、一人と狼一匹、木の下にいた。
『はい、これでもう大丈夫。 あとは無理しないで安静にしていてくれれば、ほんの2、3日で治るから』
少女…雛夜は狼を撫でる
狼は気持ちよいのか、目を細めた
「グルル………」
『ふふ、…………にしても、なんか嫌に静かだねー………。』
気持ちよいというのを察したのか、雛夜は狼のあごを撫でた
『んー、相変わらず狼さんの毛はふかふかしてて気持ちいいなあ〜…』
ぎゅうううという効果音がなるように強めに抱きしめる
「クゥン………」
『ホント…変わって、な………い………』
雛夜は、狼を抱き締めながらまぶたを閉じてしまった。
〜…☆★☆…〜
『ん…………。』
ふわり、と冷たい風と共に獣の匂いで雛夜は目を覚ます
辺りが暗い。そう自覚するのに数秒かかった。
『…………………………って夜じゃん!!』
おはこんばんわぁっ!!!!
大声でそう叫んだせいか、今まで雛夜の枕になっていた狼は、ビクリと跳ね起きる。
それに気づいた雛夜は狼の頭を撫でた
『えと……驚かせてごめんね?
やばい……結構な時間お城開けてたからみんな心配してるかな………』
そう呟くと、微かだかどこからか、声が聞こえた。
(誰だろ……? 足音はひとつじゃない………。)
雛夜は普通の人より、聴覚がよかった。
そのため、そんなに遠くなければ、音が微かに拾い取れる。
そう思った雛夜は、狼をひと撫ですると、薬草の入ったふろしきを持ち、足音の方へと、足を運んだ
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