表story

□(キヘ)なんでもない
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「ねぇー、キボムー。」
「なんですか、ヒョン」
「ふふっ 何でもない」
「・・・なにそれ」


最近ドンヘとキボムの間で何も脈絡のない話を
よくするようになった。


どんだけ弟に甘えるんだよ・・・と思いつつもそれをうっとうしいとも思ったことはなかったし
むしろ、いつもウニョクやシウォンにドンヘを取られてしまっている分、
この瞬間はキボムにとって小さな幸せの時間だった。



「なんですかーヒョン!」
「だからなんでもないってー!」



そう言って2人は布団の上でじゃれる。
綺麗にしかれたシーツがくしゃくしゃになろうと
構わなかった。


お互い十分にじゃれ、満足したところ
ドンヘがいきなりベットに立ち、すらっと伸びた
その細い腕を大きく広げて言った。



「ねぇーキボムー。俺、今すっごい幸せなんだー」


キボムはポケットに手を入れながらベットに座り直し
ドンヘを見上げた。蛍光灯の光が眩しく目を細める。



「何かあったんですか?」
「あのね!もうすぐ俺も新しいパソコン買うんだー!」




「・・・大丈夫なんですか?」




キボムの言葉にドンヘはすぐさま反応し近くに
あった枕をキボムの顔面へ向けて振り投げた。



「ぶっ!!?」




枕の勢いに耐えられなくなったキボムは背中から
再びベットへ倒れこむ。
更に追い打ちを掛けるようにドンヘはキボムの
腹の上に足を広げ座り込んだ。



「なんで『大丈夫なんですか?』なんだよー!」
「だ、だってヒョン買ったってすぐ壊しちゃうじゃないですかー!」


ギクっとした様子を隠せずドンヘは悔し紛れに
キボムを枕でぼふぼふと叩いた。




「ちょっ、ヒョン!痛いって!」
「うるせぇー!俺だってやればできるわ!」



ドンヘがもう一度枕を振り上げた時キボムが言った。



「ってかヒョン気付いてます?お腹・・・チラチラ見えてるんですけど」
「!?」



一瞬の隙を見つけキボムはドンヘの両手を右手で封じ
ゴロっと転がり立場を逆転させた。



「まったくヒョンは・・・誘ってるんですか?」



ドンヘの来ているトレーナーの中にゆっくりと右手を
侵入させ、耳元で囁いた。
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