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□金玉魚の呪い(弐)
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私はビニール袋ごと持って、廊下に居る先生の下へと向かった。

「百合丘せんせー♪」

甘ったるい声を出す。完全にもう1人の私だ。
その「百合丘」は、ゆっくりと振り向いた。

「あ。お早う。リリ。」

「お早うございまーす!!百合丘先生の今日のパンツの色はー??」

「んー!!!青!!!!」

テンション上げ上げで会話する。
本題をきりだすために。

今なら、『百合丘』は一人だ。大丈夫、邪魔者はいない。
この『百合丘』は私たちの先生。担任。
肌が黒くて(だけど歯は白くて)、
単純で面白いわ。
でも騙し易いの。単純だから。
だから今まで何度も実験体にしてもらった。
いい加減気づきなよ??アハハハ…

「ね。百合岡先生♪今日は肌が白くなるお薬よ!!!」

こんな感じで、いつも渡す。
今までは「臭い」とか言うだけで
大して効果はなかったけれど
今回ばかりは期待できそうなのよねー…
何とか渡したい…。

「え〜ホント〜??」
「ホントホント。ほら♪早くあけてみてよっ!!!」

私はビニール袋から取り出したペットボトルを渡した。

「えー…白くなるって……」
「信じてヨ!!!」

今回は結構折れないわね。
はぁ〜…。いい加減にあけてくれたらいいのに…

ペットボトルの蓋…
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