+小説+
□幼なじみと果たし状
1ページ/10ページ
「あ、何か来てる」
早朝。
日の光がまだ充分に入ってこない時間。
俺は早起きだからいつも朝の新聞取りは俺がやる。
と、いつものようにポストの中を覗くとそこには新聞以外に一枚の手紙、いや、果たし状が入っていた。
「誰だよ物騒だな」
半ば呆れ顔でその果たし状を手に取り見てみる。
MZD宛てなのかはたまた俺宛てなのか。
アイツもアレで色々やらかしてたらしいから可能性が無いとは言えないしな。
「今日の午前三時にポップン公園にて待つ。
遅れずに必ず1人で来い!!
今日こそ決着つけてやるから覚悟しろ!六!!
…十兵衛。」
十兵衛?
あれ、何か聞いた事あるような…。
ってか俺への果たし状だったのか。
面倒くせぇーっ。
只でさえ昨日のエムとの……で腰痛ぇって言うのに。
俺は腰をさすりながらその果たし状を懐に仕舞った。
来ちまったもんは仕方ないし、誰なのか知りたいってのもある。
聞き覚えがあるからちょっと気になるしな。
玄関に到着するまでに頭を起こし、ドアノブに手をかけようとした瞬間…
「ろっくぅ〜っっvおはようのキスして〜v」
「誰が朝っぱらからそんな事するかーっ!!」
がばっちょーっ!!とばかりに抱きつこうとしてきたエムをヒラリと避ける俺。
ふ、お前の行動は読めてるんだよ。
毎朝こうやって飛びついてくるから慣れたくなくても慣れちまったんだからな。