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□図書館で会いましょう
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「やぁ、今日も来たんだね」
午後の日差しを受けながらニッコリと司書のミシェルが言う。
俺は最近この図書館に連続で通っている。
ちょっと調べてる事があるからだ。
「あぁ。知りたい事があるからな、えっと…昨日はどの棚まで調べたんだったか…」
「そこの3列目の8冊目までだよ、六」
「おう、有難うな」
「どう致しまして」
まるで太陽のように優しく笑いかけるコイツに俺もつられて笑顔になる。
「その笑顔も素敵ですね、いつまでも見ていたいくらいに」
「口説くような褒め方すんなっ!!」
「あははは。ほら六、ここは図書館だよ?静かにしなきゃ」
人差し指を俺の口にあてなぞるように滑らせる。
コイツはこういう動作が巧妙で、俺はいつもその行動に赤面する。
今のだって例外じゃない。
「わ、わかってるっ」
「それなら良し。さ、調べたい事があるんだろう?早くしないと夕方になっちゃうよ?」
「…そうだな、調べて来る」
俺は赤くなる顔を顔を隠しながらさっき言われた本棚の前まで行く。
古い書物が経の如く並んでいる。
俺が探してるのは海外の妖怪に関する本。
今度そいつらを退治しに行く事になってるからそのための下調べだ。