くろす☆はーと

□第四話。
1ページ/4ページ

秋季大会一回戦敗退の聖タチバナは、既に選抜大会の出場資格など無いと理解していた。
それ故、冬季間に至るまで休み無し、毎日のように練習を積み重ねる。
遥は部員1人1人の欠点を的確に見つけて指摘し、個々のレベルが格段に伸びているのが見てとれた。
その遥自身も調子は良いらしく、マシンをマウンドから打席に少しずつ近付けて打撃練習をしている。
もちろん、走り込みの量は部内1だし、練習も1番多くこなしている。


とはいえ、人間誰しも休みを欲する生き物。




「……そんな訳で、今年もクリスマスパーティーやろう!」
「どんな訳で!?」


原のツッコミは無視され、みずき達がかなり盛り上がっている。




「……私は参加しない、ぞ」


そんな中、仏教派の聖が断りを入れる。
そして帰ろうと、




「……崎田くんも来るよね?」
「……行きてーけどな、行ったらサンタさんが家に来ねーかもな……」
『…………』






爆弾発言投下。




「……なあ、遥……今なんて言うた?」
「あ?
だからサンタさんが来ねーかもなって、」
「ちょ、待てや!
お前自分のファンに謝れや!」
「はぁ!?
んでだよ!」





怒鳴る原。
負けじと怒鳴り返す遥。
テポドン2並みの爆弾発言は、確かだったらしい。




「お前自分のキャラ理解してんのか!?
その冷静なキャラでサンタさんは無いやろーが!」
「常識に囚われてんじゃねーよ!
別に誰がサンタさんを信じよーが構うなよ!
大体、復活の風紀委員長もサンタさんは信じてる(筈)なんだよ!」
「その()は何やねん!」






ギャーギャー騒がしくなってきた聖タチバナ学園野球部。



「サンタさんは実在すんだよ!
アイスランドとか寒い国にちゃんと居るんだよ!
お前こそ全世界のサンタさんとサンタさんを信じてる汚れなき少年少女に謝れや!」
「(何で喧嘩に発展してんのこの二人)」



もはや掴み合いの喧嘩、小学生の喧嘩である。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ