†紅い十字架†

□紅い十字架
2ページ/3ページ





左胸から


ねぇ
私を殺して
貴方に殺されたい


少し話したよね
叶わない夢なら
せめて
貴方の物になりたい

お願い
そこにある
そのナイフで

深く
深く

私を愛している
その気持ちほど
深く

お願いよ
左胸に

ほら
ナイフを
握って

こんな私を
もう見せたくない

お願い
私の血を
いいのよ
全てあげる

貴方はナイフを握る

泣きながら
泣きながら

握った

そして

私を見た

私に向かって...

「怖くない」

脳裏に走る

今更...

求めたのは私

...何故?

どうして...

その瞬間だった

焼けるような

痛みと共に

私は

天を仰ぎ

そして床に崩れ堕ちた

ポタポタと音がしてる

真っ赤に染まる私

薄れゆく意識の中

私は確かに...

あなたの中で

何かを

感じた...

「温かい...」

次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ