†紅い十字架†

□紅い十字架
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「カミソリ」      

夜中
僕が起きると
君が居ない。

明かりの点いてる 
洗面所。


僕はそっと
起き上がった。

そこにわ
君が居た。

手にはカミソリ
見詰める瞳は
何も見えていない。

機械が作業しているよう。

冷たい瞳。

腕からは流れる  
血液。

それを見た僕は
優しく手から
カミソリを離す。

もう気が済んだかい?
僕が言う。

君はうなづいた。

小さく‥

すぐに傷の手当を
いつも、僕の仕事。

「やめろ」

なんて低レベル
ずっとそばに居てあげる。

不安なの?

怖いの?

愛が欲しいの?

自分を探してるんだね?

ただ僕は

君の、
傷の手当をする
微笑みながら。

我慢しないでいい、
でも危険、だから
側で見てる。

ずっと見守る。

君を見守る。

本当はね‥

本当は…

その綺麗な血は‥

君の体の中だけに。

流れていて欲しい

愛してるよ

君のすべて。

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