短編

□山本といっしょ
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*山本といっしょ

背負い投げの一件があってから私はよくごっきゅんに追いかけ回されている。本当、懲りないんだから。
まぁそんなことは置いといて。只今私は絶賛居残り中でございまする。居残りって言っても放課後に友達と遊んだりする楽しい時間ではないよ。嫌な嫌な居残り補修だよ。あーもー本当に嫌だな。何、数学って。訳解らん。

「またか、沢田、山本、中井。お前等はいい加減補修に来ない様にしろー」

「ははっ無理なのなー。な、ツナ、中井」

「そうだよー。先生が難しい問題ばっか出すからだよー。先生もいい加減に私達を補修させないようにして下さい。私部活あるんで」

「よし、お前等には特別に宿題をやるから終わったら前に来い」

「「えー!」」

そりゃないよ、先生。私はこれから部活行って家帰ってゲームするのにさ、そんな宿題出されちゃったら出来なくなんじゃん。この恨み、絶対忘れない。しかも今日は本屋へ行って攻略本を買う予定なのに。あーあー、もう本当に嫌になってきた。よし、ぐれよう。どうせ宿題出すんだろうしさ。真面目になんてやってらんない。

「おやすみー」

「えっ!中井さん何寝てんの!」

「だってさ、トゥナ。結局は宿題出されるんでしょ。だったら私は宿題に備えて寝ることにするよ」

「そりゃあいいや!俺も寝ようっと」

もっさん解ってるじゃないか。私はもっさんにグッと親指を上げるともっさんもやってくれた。笑顔付きで。さぁて寝るかな。私暗くないと眠れないからいっつも腕で顔を隠すように寝てるけどあれってなかなか腕が良い感じの場所が定まらないよね。しかも腕痺れるし。そういやたまにビクッて動くよね。あれなんか恥ずかしい。

「ちょっ二人とも何してんのー!」

「こらー、そこ煩いぞ。山本、中井、寝るなら廊下に立っとけ」

「うぃっす!じゃー」

「おっす!」

「え、何この素早い切り替えよう!二人共どうしたの」

さっきまで寝るつもりだったけど廊下に出ると言うことは別問題だ。先生に促され、トゥナになんかツッコミを入れられているのを気にしながらもっさんと共に廊下に出た。さて、今から何しようかな。部活行って補修終わる頃に戻ってこれば良いのかな。先生はそんなつもりで廊下に出した訳じゃないと思うけどね。あ、そうだ。確か私ミントン持ってきてたんだっけ。

「もっさんもっさん、ミントンしよう」

「お、良いな!」

「じゃあちょっと取ってくるから待ってて」

忘れ物しましたーと言いながら、たった今出てきた教室の中に入ると、トゥナがものっそ面白い顔をしてた。写メりたかったな。とりあえず授業というか補修の時間を止めてはならぬと思い急いで後ろのロッカーからミントンを取り出した。トゥナは忘れ物ってそれー!?ってまた凄い顔をしてた。一方の先生には、もう諦めているのか早く行けと手を振られた。いってきまーす。

「もっさん中庭行こう中庭。運動場暑いし木陰でやろう」

「おーそうするのなー。そういや中井は何部に入ってんだ」

「私は柔道部だよー。だけど女子めっさ少ないから主に私しか居ないね、女子は。後はもっさいの」

「へー、柔道部なのなー。」

「うん、人数少ないから楽しいよ。よし、もっさんやるぞー」

「うっしゃ!」

その後補修が終わるまでずっとミントンしてました。何回か木に引っかかってはもっさんがボール投げて落としてたよ。流石もっさん、コントロールぱねぇ。



(先生ただいまー)

(もうお前等帰れ)






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