短編
□獄寺といっしょ
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*獄寺といっしょ
ちっす。上から読んでも下から読んでも中井佳那です。ちょっと自己紹介しとこうかなと思ったのでします。私は並盛中学に通っている学生で、趣味はゲームでこないだようやくクリアした。マグロとかツナとかシーチキンとか色々な苦難を乗り越えて。結局はまぁどっちも魚っていうことで落ち着いた。後日その事をトゥナに教えたらものっそ悲しい目をしながら良かったねって言ってくれた。うん、良かったよ。
んで、唐突だが私の目の前には何故か同じクラスメイトでありトゥナの友達である目つき悪い銀髪さんが居た。えー。なんだか銀髪さんは教室から出たい様で、でも私は逆に教室に入りたい。
「おら、どけよ」
「いや、そこはレディーファーストで」
「あぁ?普通は中から出るのが優先なんだよ。エレベーターとかそうだろうが」
「あ、なるほど。でもほら、レディーファーストだから」
「ふざけんなよ!」
うわっ!ものっそ睨まれたよ。あれだね、蛇に睨まれた蛙状態だよ。トゥナはなんでこんなのと友達なんだろうな。あれか、外国人の友達ってなんか自慢したくなるからかな。くそっなんだか羨ましいぞトゥナ!銀髪さんってどこ出身なんだろう。確か最初にイって付いてた気がするけどな。なんだっけ。イタリア、イギリス、イングランド、イスラエル……石垣島?関係ないか。あれ、イギリスとイングランドって同じだったっけ。うん、解らぬ。まぁとりあえず
「イタリアだっけ」
「は、何がだよ」
「銀髪さ……ユーのだYO!」
「……………」
「あり?」
おかしい。返事がない。もしかして銀髪さんが駄目だったんかな。禁止ワード?まぁいいや。早く教室入ろう。………だから銀髪が居るんだって。やばい、一瞬の間に忘れていたよこの状況の事を。んーどうしよう。とりあえず退いてもらえば良いのかな。
「退いてくれYO!」
「………うぜぇ!」
「何がだYO!」
「てめぇがだ!」
「ほっほー。やばいよ、私怒っちゃうよ。温和しくしていればこっちが何もしないと思ったかい。甘いね、私の嫌いなカステラのザラメ並みに甘いよ」
ちょ、何そんな可哀想な目で私を見てるんだ。ふふん、今に見てろよ。取って置きの技使っちゃうよ。
「食らえ!毎日ゲームで鍛え上げたこの指技を……右右左左上下上下□連打ぁぁぁーっ!」
「………何やってんだ」
「効かない……だ、と」
嘘だろ。こちとらただの技を使ったんじゃない。取って置きの裏技を使ったんだぞ。やはり二次元と三次元の違いか。ふっ、やられたよ。参った、君には完敗だよ。私は銀髪君に右手を差し出した。
「流石だよ、良く私の技に耐えてくれた。こんなの君が初めてだよ」
「はぁ?意味解んねぇよ」
「私はこれからも技を磨く。その時はまた、相手になってくれるかい」
「なんねぇよ」
「そうか……いや、良いんだ。素晴らしいバトルをありがとう…………と見せかけての背負い投げぇぇー!」
「はぁ?……うわぁっ!!」
ははっ。油断は禁物だよ、銀髪君。知らなかったのかい、私は柔道部に入っているのだよ。帯とかは面倒だからそういうの取ってないけど主将曰わく黒帯ぐらいの腕前らしい。もーそんなお世辞言っちゃって。
私は、足を踏み込んで銀髪君を廊下へと叩きつけた。
「てめぇ!やりやがったな!」
「あっ!」
「んだよ!」
「私の荷物花ちゃんが持ってんだった。さらばだ、ごっきゅん。見事なこけっぷりだったよ」
ふざけんなよーとか、覚えてろーとかごっきゅんが色々言ってたけど気にしない。私は、花ちゃんに預けたままの荷物に向かって走り出した。
あばよ、ごっきゅん。また会う日まで。数分後授業で会うけど。
(花、佳那ちゃん来たよ)
(花ちゃんごめん忘れてた)
(だろうね、あんたいつまで経っても来なかったし)
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