短編

□綱吉といっしょ
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*綱吉といっしょ

○月×日。昨日私のクラスでは席替えをした。つい最近まで先生と目が合っていた前の席とはもうおさらばだ!はは、ザマミロ!そして席替えを終えた結果私は念願の窓際、更に一番後ろの席になった。やっふー。これで授業中落書きばっかしていれるぞ。そんでもって、その時隣になったのが沢田綱吉。クラスで何故かダメツナって言われてるけど私には全く持って解らない。何で。

「あ、中井さんよろしくね」

「うん。教科書忘れるからよろしくね」

「忘れたらじゃなくて忘れるって言っちゃってるー!?ちゃんと忘れずに学校に持ってこようよ!」

「ほら、私今反抗期だから」

「余計なところで反抗期!」

いやー沢田はノリが良いな。そしてツッコミ派なのか。うんうん、覚えておこう。メモ帳あったかな。ガザゴソ。あれ、沢田の名前ってなんだっけ。確かツナだったような?ツナってシーチキンだよね。あれ美味しいよなー。ちっちゃなオムレツ作る時に入れたら美味しいよね。ん、シーチキンってマグロ?マグロってどうやって書くんだっけ。そもそもシーチキンがツナでマグロ……?

「シーチキンがマグロでマグロがツナ?」

「どうしたの中井さん、なんか凄いこんがらがってるのが目に見えるけど」

「沢田!シーチキンとマグロとツナって一緒?!やばいよ私今日気になりすぎてゲームが手に着かないよ!」

「心配するところが可笑しいよ!」

やばい。もうそろそろでラスボスだから今日は帰ってレベル上げをしようと思っていたのに。こんな状態じゃあ手に着かなくていつの間にか毒とかの状態異常になってて死んでしまう。この間それでセーブし忘れて死んでしまったからな。もうあの失態は繰り返したくはない。

「俺英語苦手だからな……ていうかどうしてそうなったの」

「沢田がツッコミ派ってメモ帳に書こうと思ってそういや名前ってなんだったかなって考えてたら魚が泳いできた」

「ちょっと色々気になることがあるけど最初のは要らないって事は解るよ」

流石はツッコミの沢田。もう私の言っていることが理解出来ているだなんて凄いな。尊敬するよ。私の説明不足が主な原因なんだろうけど、友達でも時間かかるのに…。おっといけない、沢田に名前を聞くんだった。

「ゆあーねいむ?」

「あー…、うん。綱吉だよ、沢田綱吉。ツナって呼んでね」

「オートゥナ!ベリーベリーデリシャスネ!」

「英語!?しかもツナがトゥナになってるんだけど!」

oh…沢田はツッコミが激しいな。やはり、こう…なんて言えばいいんだろう。ボケを見つけるとすかさずツッコミを入れたくなる特性でもあるのだろうか。
――…はっ!向こうに名乗らせといてこっちは名乗っていないではないか。なんたる失態…そして一生の不覚…。

「トゥナ!申し遅れたが私の名前は」

「佳那でしょ、中井佳那。自己紹介のときのが強烈すぎて覚えてるよ」

自己紹介?自己紹介…あ!思い出した。一年の最初にしたやつか。確か私

『初めまして、上から読んでも下から読んでも同じの中井佳那です。好きな食べ物は白餡の苺大福で許せないのはカステラのザラメです』

って言ったんだっけ。いやー懐かしいな。まさか自己紹介をするなんて思ってなかったから咄嗟に言ったんだよな。自己紹介するって聞いてたらもっとマシなのを考えたのに。趣味はビーチフラッグです、とか。しないけど。というかしたことないけど。

「トゥナはビーチフラッグしたことある?」

「唐突すぎ!?したことはないと思うけど似たようなのはあるよ」

「あー、ティッシュをどちらが早く取るかみたいな…」

「(よく解らない事言い出したー?!)」

「まぁ色々聞きたいことはあるが、トゥナ!隣同士よろしく」

あぁ、うん…と疲れたように言ったトゥナは遠い目をしていた気がします。



(あ、教科書忘れた)

(早速忘れてるー!)






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