前世の記憶(TOA)
□第二章〜記憶のない人形士〜
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ス「お姉ちゃん、大佐ってガイだよね?」
ア「あ、スニアは知らないんだよね。ちょっと色々あって大佐って呼んでるだけ!気にしちゃだめ」
ス「うん…?」
ジ「ではふざけあうのも大概にして、アニスには聞きたいことがあります。」
ル「ふざけてたんだな…やっぱ」
ジ「再会を楽しんでいたんですよ」
ル「どっちでもいいけど、聞いてないよな…多分」
ジ「ですねぇ」
ス「いつ知り合ったわけ?お姉ちゃん」
ア「そ・れ・は・乙女の秘密!」
ス「え〜」
ル「はぁ…どっちがアニスかわからなくなるな…。」
ジ「全くもってそうですねぇ。いやぁ、ルークと兄弟で本当によかったと思いましたよ。」
ア「どういう意味ですかぁ!大佐ーっ!」
ジ「おや、聞かれてしまいましたか。無視されているのかと思いましたよ。」
ル「わざとだろ…ってかふざけるのはやめるんじゃ…」
ア「ルーク様は黙っててください!大佐、どういう意味ですかぁ!?」
ル「はぁ…」
ジェイドに掴み掛かるような勢いのアニス。誰から見ても子供同士の喧嘩だ。アニスが何歳かはわからないが、ジェイドより身長は小さくとも、あまり変わりはない。前世を知っているルークから見れば不思議な光景だ。
まぁこの4人の子供の中で一番小さいルークからしてみれば、自分より背の高いアニスにさえ違和感を覚えるわけだが。
ジ「そのままの意味です。ディストに、アニス二人ですからねぇ…。性格が歪みそうですよ。」
ル「もう歪んでるだろ…」
ジ「おやおや、ルークは私をあの三人の仲間に入れる気ですか?いやですねぇ」
ア「確かにディストは変な奴だけど、私は変じゃないですよぅ!」
ジ「そうなんですか?それは失礼。ではつまり、お金のことになるとどんな取引にも応じるところはなくなったわけですね?」
ア「う…っそれは…」
ル「そんなのやってんのか…」
ア「あ、アニス教団は何でもありなの!」
ジ「元ローレライ教団と規則はあまり変わらないと聞いていたんですがねぇ」
ア「アニスちゃんが団長だからいいの!大佐の意地悪〜!」
ル「子供が団長っていいのか…?」
ア「いいの、いいの!」
ス「お姉ちゃんは教団最強なんだ!頭も切れるし、話術もお手の物だから、みんな納得してるよ」
ル「へぇ…」
ジ「さすがはアニスですね。なら、集めるべき情報はもちろん持っているわけですよね?」
ア「さっすが大佐!私のことお見通し?こんな日が来ると思って色々情報集めときました〜☆」
ル「やっぱアニスもジェイドの部下だっただけあるんだな」
ア「アニスちゃんって天才かも☆」
ル「いや…それは…。ってか何歳なんだよ?」
ア「ルーク様、女性に年齢聞くもんじゃないですよぅ?」
ジ「子供が年齢を気にするものでもありませんけどねぇ?」
ア「もう大佐ってば…ルーク様を久しぶりにからかおうと思ったのにぃ〜!」
ル「からかうって…。で、結局…何歳なんだ?」
ア「そんなに気になるものかなぁ?アニスちゃん、ぴっちぴちの6歳だよ☆」
ル「じゃ、ジェイドの一つ年下か」
ア「がーんっ!やっぱり大佐の方が年上なんですかぁ!?」
ジ「ははは。安心しましたよ。アニスの部下は怖いですからねぇ」
ル「ぜってぇ、嘘だろ…」
ス「ちょっと何歳なの!?」
ル「え、俺…?」
ス「当たり前でしょ!」
あまりのスニアの真剣さにルークは押され、目を泳がせながら答えた。
ル「5歳…」
ア・ス「「よし!」」
ジ「年齢くらいで…惨めですねぇ」
ル「は…はは…っ」
一番年下であるルークは何とも複雑な心境になった。