前世の記憶(TOA)
□序章〜プロローグ〜
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ル「そんな…っジェイドどうすんだよ!?」
ジ「まぁ戦闘に関してはルークはともかく、私の方が確実に上です。」
ル「また、殺すのか?」
ジ「生きるためには仕方のないことです。」
ル「ジェイド、お前このことを想定して子供らしくしなかったのか?」
ジ「ご想像におまかせしますよ。ただ、私達が今になって生まれたのはローレライの意思であり、おそらく近くに何かが起こるのでしょう。私は二度と貴方を死なせたくはありません。だから、貴方以外に親しい人物などは作りたくはなかった。ただそれだけです。」
ル「ジェイド…」
ジ「大勢の村人に対し、譜術だけだとさすがに厳しいです。武器を調達しましょう。」
ル「…わかった」
ジ「力負けすると思いますので、突っ走るのだけはやめてくださいよ」
ル「気をつける…。あのさ、いつ頃…」
ジ「恐らくルークが7歳くらいになった辺りですね。」
ル「え?後4年も…」
ジ「警戒してるんですよ。それと様子見です。それならばこちらも注意してひそかに経験をつけるべきでしょう。私は体内に武器を隠せますので、ある程度は隠し通せると思います。」
ル「生まれ変わっても、人を斬るんだな…。ローレライは俺が嫌いなのかな」
ジ「ローレライに嫌われようと知ったことではありません。私はルークを好いてますよ。」
ル「ありがとう、ジェイド」
ジ「さて、行きましょうか」
ル「うん」
5歳と3歳とは思えない会話。一人は大人らしく、一人は子供らしく。似てない二人の兄弟が唯一同じなのは、人の命の重みをよく知っていること。
前世の記憶に縛られる二人の幕開け。