創聖アクエリオン
□父親2
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「ドナール教官!」
「ミックスか、どうした?」
「アマタの父親なんですよね?」
「あ、いや…それはだな…」
「何故今まで黙ってたのかは色々理由があるんでしょうけど、アマタの教育しっかりしてあげてください!」
「だからだな…」
「アマタは感情的すぎて不潔だわ!あの子、ろくな育てを受けてないと思ってました。男なんて皆同じだけど、ドナール教官は信用してるんですよ?だからアマタに甘くしないで、厳しくお願いします!では!」
「ま、待て!だから誤解…」
「ドナール教官!」
「アマタ…」
「すみません!まさかこんなことになるなんて…」
「いや、アマタが悪いわけじゃない。全てはあのアンディの勘違いからだ。」
「でも、誤解を生んだのは俺で…」
「気にするな。その内誤解も解ける。お前はもう大丈夫なのか?」
「あ、はい…!」
優しい笑みを向けてはアマタの髪を撫でるドナール。アマタもどことなく嬉しそうで、甘い雰囲気が流れているその時。
「やはり、アマタ・ソラとは親子だったのですね。違うという嘘はいけませんよ。私にはわかります。」
「り、理事長…!」
「ち、違うんです!あの…」
理事長である一人の少女が無表情で二人を見ていた。いきなりの理事長の登場に慌てて離れるドナールとアマタ。しかし、もう遅い。
「親子水入らずなところを邪魔してしまいましたね。しかし、カイエンやミコノのような兄妹もいますし、家族での縁は気にしなくてもよいのですが、あなたは教官です。息子だからとアマタばかりを甘やかしては他の生徒に示しがつきません。職務を忘れないよう、以後気を付けてください。」
「「理事長!誤解です!」」
というもまたもや遅し、理事長はあっという間に去ってしまった。
「本当に誤解は解けるんでしょうか…?」
「ああ、そのはずだが…」
「本当にすみません…」
「いや…なってしまったものは仕方ない」
「親子で仲いいですね…。羨ましいです。すぅー…」
「ユノハ!?い、いつからそこに…」
「私のことは気にしないで下さい…。では…。」
消えたまま走り去るユノハ。誤解は増すばかりで、解けそうにない。
そして…また……。
「アマタくん!」
「み、ミコノさん!?」
「お父さんのこと思い出せてよかったね!記憶にないって言ってたし…」
「い、いや…あの…」
「ドナール教官!!」
「な、なんだ…」
「アマタくんを捨てたわけじゃないですよね!?ちゃんと離れた理由があるんですよね?」
「いや、捨てたも何もだな…」
「わかりました!教官だからですね?アマタくんをこの闘いに巻き込みたくなかったんだ!それでアマタくんを守るために…っよかったね!アマタくん!」
「ミコノさん、それは誤解で…」
「あ!ドナール教官ごめんなさい!私、ドナール教官が守ってきたアマタくんをここに連れてきてしまって…。でも、私を守るためにアマタくんは力を使ったんです!だから、見捨てないで守ってあげてくださいね!アマタくんの家族は今ドナール教官以外にいないんですから!」
「守るのは当然だが…」
「そうですか!アマタくん、お母さんには捨てられたって言ってたけど、お父さんには愛されててよかったね!私がいたらお父さんに甘えられないよね?だからまたね、アマタくん!」
「ミコノさん!」
「あんなに…強引な奴だったか?それに、話をまともに聞く奴はこの学園にいねぇのか…」
さすがのドナールもご立腹。何せ、誤解は誤解を生むばかりだからである。