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□自慢のパパ
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「いやはや、あなたがあのカプセルコーポレーションの娘の夫となる方ですか!」
「結婚とやらはしてないがな」
「な、なんと…ですが、お子さんがいると…」
「そのために今日から働くんだ。ボディガードだったか、このサイヤ人の王子であるベジータ様が貴様ごときを守ってやるんだから感謝しろ」
「は、はぁ…」
そう、ベジータが受け持った仕事とはボディガードである。試験などはあったが、ベジータにとっては楽勝で、早一日目にしてボディガードを仕切る者となった。
それでも上目線なのが気になるが、カプセルコーポレーションの娘の夫らしき人と言うことで、誰も文句は言えないようだ。
そして、今回の仕事は時期総理大臣となるだろう人が、誰から手配されたのかもわからないマフィアや悪質な組織から狙われているため、手配した犯人を見つけることと、時期総理大臣になるだろう御方西ノ宮を守るのが仕事となる。
ベジータは他人を守る仕事などどうでもよかったが、息子のためと似合わないことを思いながら、渋々ブルマに渡された黒いスーツを来て西ノ宮の傍でボディガードの仕事を尽くすのであった。
「ここの連中は銃を持っているみたいだな」
「えっと…ベジータさんは持っていなくても大丈夫なんでしょうか?相手はマフィアや悪質なる組織ですからなぁ、銃もたくさん持たれますよ」
「銃を使う奴ほど楽な仕事はない」
「ベジータさん!あまり仕事を舐めないでください!いつ殺されるかわからないんですよ!なんであなたみたいな人が仕切る人になったのかわかりませんよ…」
「ん?貴様は、前仕切っていた奴か。別に俺は仕切るつもりはないからな、いなくてもかまんぞ?ここは俺一人で十分だからな」
「ふ、ふざけないでください!」
「なら銃を俺に向けて何発か撃ってみろ。」
「死ぬ気ですか?」
ベジータの言葉に唖然とする周りの者。ベジータはその中平然とした態度で銃を見る。
「早くしないか。」
「死んでも知りませんからね!」
「や、やめてください!夕さん!」
バンッバンッ
やけくそになって止めようとする者を無視して、ベジータを撃った夕と言われた人。思わず目をつぶった周りの者は恐る恐る目を開けると、すぐに驚きの表情を見せる。
「やけくそになった割には狙いどころがいいな。まぁ、俺にはどうでもいいが…」
「嘘…」
カラン…カラン…
片手で撃たれた銃の玉を取ったベジータ。その玉を地面に落とせば、ベンツに向かって歩いていく。
「仕事を終わらせるなら、さっさとしろ。」
「は、はい!す、すみません…」
「ん?いや、乗るな」
「え?ひ、ひぃぃっ」
「ち…っバレたか」
「………」
「べ、ベジータさん…っ」
「貴様はどいていろ」
ベンツの中から出てきたのはマフィアらしき人。運転手は既に殺され、ベンツの中で西ノ宮を殺すつもりだったようだ。
ベンツの外から窓を覗いてでは中が見えないため、いい作戦ではあっただろう。
だが、ベジータが運転手のなくなった気と、ただの人間にしては少し強めの気に気付いたため、失敗となった。
ベジータがすぐに気付かなかった理由は地球人の小さな気に慣れてないためである。それでも、一瞬気を集中して読み取ればすぐにわかった。
「いやはや、新人にして仕切るボディガード…やっぱり、舐めたらいかんな」
「ボスはどこにいる。答えないようなら、すぐ殺してやるが?」
「あんま俺を舐めたらあかんでぇ?俺はマフィアの幹部やか…ぐぁっ」
「俺様を舐めるなよ?俺はさっさと修業をしたいんだ。悟飯みたいに修業をサボって弱くなるつもりはない。さっさと言わなければ首の骨が折れるぞ?」
「うぐぐ…っ」
「ベジータさん、それ以上は…」
「そうやって甘いことを抜かしているから貴様は狙われるんだ。ん?…この気は…」
「ベジータさーん!」
「パパー!」
「あ、あれはグレートサイヤマン!?」
「ベジータさん、グレートサイヤマン知り合いなんですか?でも、隣の子供は…パパって…まさか…」
「悟飯、トランクス…何をしに来た」
いきなり空から飛んで現れたグレートサイヤマンの格好をした悟飯と、ベジータの息子トランクスにまたもや驚く西ノ宮やボディガードたち。
「ベジータさん、僕は今グレートサイヤマンなんですよ?」
「別に今は気にすることもないだろう。」
「そりゃあ、そうですけど…」
「パパー、その首締めてる人誰?」
「マフィアらしいが…」
「ふーん、マフィアって弱そうだね!やっぱパパが宇宙で一番強いや!」
「当たり前だ。俺はサイヤ人の王子、超エリートだからな。」
「ベジータさん、早く離さないと死んでしまいますよ?」
「ち…っ地球人で強いのは結局あいつらしかいないのか」
そう言いながら気絶してしまったマフィアの一員を地面へ落とすベジータ。