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□師匠は過保護
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「いやー、ウーロンたちも来ればよかったのに」

「こんなご馳走滅多にないからな、クリリンどっちがたくさん食べれるか勝負だ!」

「よーし、負けませんよ。ヤムチャさん」

「なんだ?勝負すんのか?なら、オラもやっぞ!」

「ご、悟空…お前に食べた量で勝つのは悟飯か、ベジータくらいじゃないか?俺たちじゃ無理だよ」

「はは…っいくらなんでもあの量はな…」

「なんだ。やんねぇんか」

「クリリン!」

「チチさん?どうかされたん…うわわっ」

いきなり怒鳴り声をあげてはクリリンの肩を思い切り揺らすチチ。

「なんで、なんで悟飯ちゃんはピッコロなんかといるだ!」

「そ、そりゃピッコロは悟飯の師匠だし…ううっ」

「そんだけじゃねぇ!なんで不良なのに頭がええだ!」

「し、知りませんよ…っ」

「チチー、それ以上やったらクリリンが死んじまうぞ」

「なら悟空さはあれを見てなんとも思わないだか!?」

悟空の声かけでやっと離されたクリリン。チチは仁王立ちをして悟空に怒鳴ればピッコロと悟飯の二人を指差した。

「ピッコロさん、僕セルを倒したら学者さんになるために勉強するんです。」

「すればいいだろう。だが、あまり勉強をしすぎるのもよくない。修業をしろとは言わん…、身体は動かすようにしろ」

「はい!たまにわからない勉強を聞いてもいいですか?」

「かまわん。だが、修業に付き合わせるぞ」

「なら、ピッコロさんのところへ行く時は、ピッコロさんの道着を着ていきますね!」

「好きにしろ…、それより今日は誕生日だろう。欲しいものはないのか」

「欲しいものですか?じゃあ、ケーキがいいなぁ…」

「甘いものを摂りすぎるのは身体によくないだろう。一日に摂る糖分は一口分のチョコだけにしろ。摂り過ぎもいけないが、ある程度摂らなければ頭も回らないだろうからな。少し摂るぐらいが、勉強もはかどるだろう。」

「わかりました!お母さんにチョコレート買ってもらいますね!」

「それでいい。…食べ物以外でほしいものを言え」

「食べ物以外ですか?なら、イヤホンで音楽が聴けるものがいいです。勉強中に聴けたらとてもいい気がするんで…」

「ふん…いい気がするだと?イヤホンやヘッドフォンといったものは聴力を悪くするだけだろう。それだけじゃない。勉強への集中力だって途切れやすい…、あまりおすすめはできんものだ」

「そうですか…。やっぱりピッコロさんは詳しいなぁ…。でも、音楽はだめなんですね」

「…音楽なら何でもいいのか」

「はい。少し静かな音色を聴けたらなと思っただけで、勉強中じゃなくても、休憩に聴けたらいいんです。」

「ならオルゴールをやろう。オルゴールは心を落ち着かせる効果があるようだからな、曲は俺の知っているものになるが……はぁぁっ」

「わぁっ」

「これがオルゴールだ」

「オルゴール…」

ピッコロが魔法で出したオルゴールに嬉しそうな声をあげる悟飯。ピッコロからオルゴールを手渡されるとネジを回して流れる音色に耳を澄ませる。

〜♪〜〜♪

「これ、アメイジンググレイスだ…。とても落ち着く音色ですね」

「ああ…」

流れる綺麗な音色にピッコロ、悟飯だけでなく、周りにいるみんなが耳を澄ませていた。

「綺麗な曲ね…。」

「ブルマさん…、そうですね。」

「なんか心が洗われる気分だな」

「オルゴール…いいもんだなぁ、オラも欲しくなっちまうだよ」

「チチ、オラ別に何も思わなかったぞぉ」

「何も………?」

悟空の何気ない一言に、オルゴールに耳を澄ませていた悟飯、ピッコロ、悟空以外の一同はピシリと固まり、一気に空気が変わるのを感じる。

「チチ?」

「オラとしたことが、ついオルゴールに惑わされるところだっただ…。それよりも悟空さは本当に何も思わなかったけ?」

「思わなかっただ」

「悟空さはおかしいだ!ピッコロが糖分は摂りすぎるなとか、イヤホンは聴力に悪いだとか言ってたんだぞ?さっきなんか野草は食べていいものと悪いものの説明を悟飯にしてただよ?なんでピッコロが賢い子みたいに悟飯に言うだ?ピッコロさは不良じゃねぇだか?」

「チチさん、確かにピッコロに知識はあるかもしれないけど、それは知識どころの問題じゃないと思うわよ…」

「それにある程度の知識はピッコロが神様と一つになった時、神様の知識がピッコロの中に入ったんだと思いますよ」

「ピッコロは神様の知識があるんけ?それなら頭がいいのも頷けるだ…。それよりもブルマさんは何が言いたいだ?」

「その、ピッコロの言ってることは全部悟飯くんに気を配り過ぎての配慮ばかりだと思うのよね。その割には悟飯くんにとっていいプレゼントまでして、まるで…」

「「「「過保護の親(だわ・ですね・だな・じゃねぇだか)」」」」
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