悔いなきように(逆行TOA)

□六神将と協力者
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ル「懐かしいなぁ……」

エンゲーブでジェイドと会うんだよな。さっきもジェイドの声がタルタロスから聞こえた。

そういや、シンクがジェイドに似た六神将が入ったって言ってたな。それにローレライが俺について後悔した人物を………。

それってシンクと俺以外に記憶を持つ奴がいるってことだよな?六神将の協力者が怪しいけど、黒髪で知ってる人なんていないしな……。

ティ「ルーク?」

ル「あ……なんだ?」

ティ「いえ、ぼーっとしていたみたいだから……。本当にごめんなさい。まさかマルクトだとは思わなくて……」

ル「別に怒ってねぇから、泊まれる宿でも探しに行こうぜ」

ティ「そうね」

不思議とティアが優しく感じる。態度が違うだけで、否定したい罪がないだけでこうも変わるのかと思う。

いくら頑張っても許されない罪が起きてないだけでこんなにも………。

ティ「何か騒がしいわね」

ル「え……ああ、見に行ってみるか?」

ティ「いえ、後で来ることにしましょう」

ル「そうだな」

おそらく食料泥棒かジェイドが来ていることについて騒ぎあっているんだろう。前と同じように怪しまれる必要があるかないかと言えば、ジェイドとアニスに会うためには必要かもしれない。

けど、既に買い物の仕方くらいわかりながらするのは、それこそ認めざる終えない罪になる。なら……話を聞いた上で調べに行き、同じく調べてるであろうイオンに会うことから始めるべきかもしれない。

そうだ、イオンにさえ会えばジェイドやアニスと会わざる終えなくなるほど呆気なく会え、仲間になることだろう。

ティ「ルーク、本当に大丈夫?」

ル「ごめん……さっきの騒ぎが気になってさ」

ティ「……ふぅ、仕方ないわね。見に行くだけ見に行ってみる?」

ル「うん、悪いな」

そう言って来た道を戻り、未だに人だかりとなる村人たちに声を掛ける。

ル「何かあったのか?」

「ああ、ここ最近食料泥棒が相次いで犯人が捕まらないもんだから、困ってたんだけどよ。今マルクトの軍人のお偉いさんが来てるからなんとかなんねーか掛け合おうとな。」

ル「食料泥棒……なぁ、それ俺が調べさせてはもらえないか?」

「はぁ?あんたがか」

ル「食料庫に案内してくれたらちゃんと証拠が見つかるように徹底的に探すからさ。それとも調べた後か?」

「いや、調べちゃいねぇが……。あ、でも導師様が今しがた……」

ティ「導師……?まさか、イオン様が……?」

導師にいち早く反応したティアは考えるような素振りを見せる。理由を知る俺は何も思いはしないけど、惚けるべきだよな。

ル「導師イオンは行方不明って聞いてたんだけど……違うのか?」

「行方不明?それは知らんが……」

イ「食料泥棒の犯人がわかりましたよ」

「導師様!導師様が犯人を見つけてくださったそうだぞ!」

「本当に!?」

「一体誰なの!?」

ル「うわっ」

ティ「きゃっ」

押し出されるように俺とティアは村人たちの外側へ出る。

ティ「ルーク、大丈夫?」

ル「あ、ああ……でも導師様って……」

ティ「導師は1人しかいないわ……でもなんでイオン様がこんなところに……」

イ「皆さん、落ち着いてください。犯人は決して人ではありません。チーグルという聖獣です。」

「チーグル?チーグルってユリアと契約した……」

「何にしろ、魔物が相手じゃどうしようもないわ」

「それに聖獣なら尚更……」

ざわつきが納まらない。今すぐ解決できる手筈が済んでいるけど、何もなくして俺が行こうとするのはおかしいよな?

いや……考え次第では……。

イ「皆さん、一旦自分を落ち着かせてください。チーグルは普段大人しい魔物です。何か事情があるのかもしれません。それを突き止めさえできれば解決に導かれるでしょう」

ル「……ティア、今日はもう宿に行こう」

結局ジェイドには会えなかった。逆行とはいえ、中々同じようにはいかないみたいだ。

どちらにしろ、明日チーグルの森にさえ行けたら、ジェイドは俺達を連行するだろう。

ティ「ええ、構わないけど……イオン様をお一人には……」

ル「たった1人しかいない導師を何もなしに外へ出すなんてことはないはずだ。近くに導師守護役か、護衛はいると思う。今いないのは、あえて遠くから監視してるか、はぐれたかのどちらかじゃないか?」

ジェ「おやおや、正解です。いや〜、お見事ですね」

ル「!」

明日会うつもりでいた人物にまさか今会えるとは思っておらず目を見開く。全く気配には気づかなかった。考えごとをしていたからか、もしくはどの世界のジェイドも只者ではないということかの2択だ。
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