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□はじめてのおつかい
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「見て見て兄ちゃん、お母さん!」
「悟天あまり無理するなよー!」
「うまく飛べるようになっただなぁ…悟飯に教えてもらっただか?」
「うん、そうだよ!」
「さすがに舞空術は教えてやれねぇだからなぁ。悟飯、今度オラにも教えてけれ」
「えぇーっ!母さんにですかぁ!?」
「んだ!いつも軽い買い物が簡単にできねぇだからな…。だども飛べるようになったらそんなこともねぇだ!」
「それはそうですけど……」
「オラも元は武術を習ってた達人だ。教えてくれさえすれば、あのビーデルって女よりも早く飛べるに決まってるはずだべ!なんたってオラは悟空さの妻だったんだ。クリリンの妻さにできて、悟空さの妻ができねぇことは絶対あるはずがねぇ!」
「でも、18号さんは人造人間にされて飛べるようになっただけですよ?元々はただの武術に経験のない不良少女だったって聞きましたし……」
「はぁぁ…、悟天ちゃんに武術を教えたのはオラだ。だども、オラは気功波なんて一度も使えた試しがねぇ……。なのに悟天ちゃんは……」
「た、たまたまですよ!なぁ、悟天?」
「僕、トランクスくんに教えてもらったんだよ!トランクスくんはトランクスくんのお父さんに教えてもらったんだって!」
「ベジータさんが教えるって想像つかないなぁ…。」
「確かに悟空さとまともに闘えるベジータさんなら納得するしかねぇだな」
「まぁ、そうなるのかな…。ははは…っ」
実際悟天に教えたのはトランクスであり、トランクスに教えたのがベジータであって、悟天がベジータに教わったわけではないのではと思う悟飯であったが、またややこしいことになりかねないため、思うだけでとどまった。
「そうだ!忘れるとこだったべ…。もう食料が尽きたからおつかいを頼むだ。悟天もせっかく舞空術を覚えたんだから、悟飯と試しに一緒に行ってくるといいだよ」
「そうですね。天下一武道会も近いし、舞空術に慣れておかないと…。悟天、行ってくるか」
「うん!」
「これが買ってくる分だべ」
「兄ちゃん、凄いね」
「あ、ああ…長いですね」
「悟空さがいたらもっと長かっただ!いつもこんなんだよ」
おつかいのメモの長さは悟天の身長を軽く越すくらいの長さで、悟飯と悟天だけでこれだけかかるのかと改めて実感する悟飯。
チチに申し訳なく思いながらメモ用紙を折り畳んではポケットにしまおうとする悟飯だったが、チチに手首を掴まれる。
「今日は悟天におつかいを頼むだ。だから、そのメモ用紙を悟天ちゃんに渡してやってけれ。お金も悟天ちゃんが持つだよ?悟飯は悟天ちゃんが変なことしないように見張るのが今日の役目だべ」
「変なことって…」
「僕、変なことしないよ?」
「いんや、何かあるはずだべ!間違って悟天ちゃんが人とぶつかったら相手は大ケガするだよ!それで治療費からなんやら払わされて……」
「母さん、考えすぎですよ。そんなことあるはずが…」
「い、いてぇ…っな、なんだこのガキ…っおい、治療費払えや兄ちゃん」
「あ、あはは…」
「?」
あれからチチに散々心配されてから10分後、チチの言ったとおりのことが起きてしまう。
まさか本当に怪我をさせてしまうなんて悟飯は力がありすぎることに頭を悩ませた。
「すみません。弟にはよく言って聞かせますんで、今日のところは見逃してください。」
「ち…っ今度から気を付けろよ!ガキにぶつかって転けてもねぇのに捻挫なんてついてないぜ…けっ」
謝罪をすれば文句を言いながらもあっさり引いてくれた人に悟飯はほっとしながら、同じことになりえないよう悟天とスーパーに入り、周りと悟天を警戒する。
「人参、玉葱……兄ちゃん兄ちゃん」
「ん?どうした?」
「人参20本ってどれだけなの?」
「悟天、そんなこともわからないのか?母さんに勉強教えてもらってるって聞いてたけど…」
「違うよ!人参が一個じゃなくて、袋に三個入って売ってるんだよ」
「そういうことか…。うーん、多い方が母さんも助かるだろうから袋に入ったのを20袋買おうか。」
「じゃ、玉葱も?」
「そうだな」
何も深く考えることなくメモに書いてある通りに買っていく悟飯と悟天。籠はもう二個や三個では足りないくらいだ。
あまりの多さに周りもちらちらと悟飯と悟天を見るものの二人はまったく気にせず買い物を進めるのだった。