コノ手ヲ、紅ニ染メテ。
□scene.1―少女 side.
3ページ/3ページ
ところが、不幸は重なる。
どこぞの物騒な組織に目を付けられた。
組織の人材に、望月の人間が欲しい、と取引を持ちかけて来たのだ。
望月家にとって、それは屈辱以外の何物でも無かったが、受け入れる他無かった。
そうして、相手の思うままに、長女―――――私が連れ出されたのだ。
「私は、何をすれば良いんですか?」
「調べて欲しい物がある。」
男は、振り返る事も無く言う。
淡々とした声だ。
「俺も、よくは知らないが……………」
一体、何なのだろう。
「………………………変若水、というらしい。」
to be continued...