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□独占欲 / 祐希×悠太
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悠太はクスクス笑ながら外を見た。
「何笑ってンだよ」
要が無表情で俺に問いかけてきた時だった。
先生がドアを開け、「HR始めるぞ〜」と言いながら教室に入った。
皆がガタガタと自分の席に座っていく。
要も前を向くため椅子を直して一度こっちを向いた。
「お前ってなんだかんだで優しいよな」
優しく笑い、前を向いた。
優しい…か。
お兄ちゃんだからという理由で俺は祐希に甘くしすぎたのかな…?
『きりーつ…』
記憶が飛んでたかのように一気に現実に戻った気分だった。
ガタッと立ち上がった。
『さようなら』
皆がお辞儀をし、鞄を持って外に出ていく。