料理人 ナギ

□言い出せなくて…。
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<ヒロインside>


いつものようにシリウス号が港に着いた。



ここは中立国で海軍の取り締まりが少ないうえに、関税がかからないので世界中の貿易船が集まる。情報も人も多いし、顔もばれにくいので海賊の情報収集にはもってこいの場所なんだそう。



私は、ナギとトワくんの3人で食料の買い出しに行ったけど、ここには1週間ぐらい滞在予定で、悪くなりやすいものは出発ギリギリに買うつもりらしく、手伝いは早々に終わってしまった。





「おい、○○。ここは治安もいいし人通りも多いから、今回はみんなの手伝いが終わったら、お前も一人で行動していいぞ。」



港に着いた時に船長にそう言われ、私は今回は一人で行動しようと思っていた。





シリウスは男所帯の船で、女性に必要なものは揃ってない。しかも私は、隠れた酒樽が運び込まれて偶然乗りこむことになったので、元々持ち込んだものは何もない。男の人の前では買いにくいものもあったし、待たせてはいけないと思うと、なかなかゆっくり見られなかったから、今回は一人で買い物をしたかった。



「○○、お前、何か買いたいものあるのか? 」



「うん、あるけどたまには、一人で買いに行ってみたいな。」



「ああ、ここは船長も治安がいいって言ってたし、大丈夫だろう。夜はいつもの通り酒場に集合だからな。」



「うん。」





ナギとトワくんと別れて、ゆっくりとウインドウショッピングを楽しんでいた時のことだった。


「お前? ○○か?」



「あ! 」



「リョウっ! リョウじゃない!」


そこには学生時代の同級生だったリョウが立っていた。


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