鬼物語

□陸章:傷跡・前編
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【総司side】


―何かあったら僕を頼ってね―


総牙が部屋に戻ってから少しの間、僕は何故あんな事を彼に言ったのか考えていた。


『なんであんな事言ったんだろ』


理解出来なかった。
だけどなんだか言わなきゃいけない気がした、ただそれだけ理由。


「沖田さん」


気配には気付いていたけど黒装束を着た人が僕の後ろに立っていた。

山崎くんだ。


『何かあったの?』
「先ほど、前川邸から例の者たちが外に脱走したそうです」
『!? 分かった、すぐに追いかけるよ』


僕はそう言うと立ち上がった後部屋に戻り、部屋に置いている刀を手に持ちながら向かった。




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