鬼物語

□壱章:狂い始めた日常
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「嘘でしょ…」
『嘘じゃないって!』


これが嘘なら私もそう願いたい。

そう思ったとき総牙が話し掛けてきた。


「そういえば千晶」
『何?』
「それ、いつから持ってたの?」
『え?』


掌に不意に感じる固い感触。

見れば、そこには持ってきているはずの無い沖田家に代々伝わっている刀、大和守安定と小通連があった。

私は確認するかのように総牙の手を見ると総牙の手にもしっかりと加州清光と小通連と対をなす大通連をしっかりと握っていた。


『総牙も…、なんで加州清光と大通連を持っているの?』
「さぁ」
『さぁって……なにそれ』
「俺に聞かないでよ。俺もよく分からないんだから」
『そうだったね…』



壱章・終
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