鬼物語

□壱章:狂い始めた日常
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【千晶side】


不思議な感覚がした後、私たち兄妹は変な場所にいた。

建物や町の人たちの姿が時代劇みたいな感じだった。

もしかして、映画とかドラマにあるようなタイムスリップをしたじゃないのかなって思って総牙に聞いてみたけど総牙も答えはあやふや。

それなら、町の人に聞いてみようと思い、町の人に声をかけてみた。


『すみませーん』
「はい、何でしょう」
『今、何年の何月か分かりますか?』
「今は確かぁ…文久三年の九月だったなぁ」
『へ?文久…?』


聞いたことがない年号。

今の時代は平成XX年の四月である事を心の奥で期待してたけど、町の人の発言は予想以上に私の期待を遥かに裏切った。


「では、そろそろ失礼しますね」
『あ、はい。ありがとうございました』
「ちょっと千晶。あんまり後先考えずに行動しないでよ」
『ごめん総牙……』
「で、何か聞けたの?」
『えっと今の時代が……文久三年の九月って事しか……』
「へー、文久…三年ねぇ……って文久三年っ!?」
『う、うん』


総牙の驚きに私は少し戸惑いながらも返事をした。





「ところで文久っていつの年号なのかな?」
『さぁ…』




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