鬼物語

□拾壱章:池田屋事件・後編
1ページ/8ページ

〜沖田said〜


平助たちが出て行った後、僕は二回の奥の部屋で、窓辺に腰掛けてた男と戦っていた。


『はぁぁ!』


鋭い突きを男に浴びせる。

男はそれをかわすが早いか、ひらりと僕の背後に回る。

出来る、と思う間もなく、今度は僕が振り向きざまに男の胴を払おうとした。

バキッ―。

けど、僕の刀は未だ抜かれていない男の刀の鞘によって阻まれ、鈍い音をたてて、鞘が割れた。


「……」


男は、僕の刀の刃を受けたところが割れているのにちらりと目をやると、ようやく割れた鞘を払った。


「少しは歯応えがあるだろうな?」
『油断してると、歯応えどころか何も噛めない身体になるよ』


不敵な笑みを浮かべた僕は、正面に立っている男にさっきより速い突きを繰り出す。


『っ!』


だけど、今度は抜き身の刀がそれを受け止めた。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ