3番地

□無自覚
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「マキャー!」

まだ幼い縞猫が
マキャの懐に飛び込む。

「マンカスか。おはよう」
「おはよっ」

嬉しそうな表情を浮かべて
マンカストラップは
マキャを見上げる。

「早く起きたのか」
「うん!」
「…?ランパスはまだ寝ているのか」
「そうだよ!だから俺は
マキャと遊ぶ!!」
「可愛いなぁお前は」
「わーい」

ぎゅーっと抱きしめられ、
マキャの顔もにやける。

「…マキャ、そんな緩い顔しないの」
「カーバ!!」
「あっ、カーバだ」
「おはよ、マンカス」
「見回りか」
「そうだよ。良いなぁ〜マキャはマンカスに甘えて貰って」
「俺カーバも大好きだよー」

カーバの目が丸くなる。

「…無自覚って良いな…」
「どうしたのカーバ?鼻押さえて」
「大丈夫だ、暑かったからな?鼻血が出てきただけさ」
「大丈夫!?」
「大丈夫さ。さ、あんな変態の近くにいたらお前までが大変な事になるだろうし、
向こうに遊びに行くぞ」
「はぁーい♪」

トテテと走っていくマンカスを
ゆっくり追うマキャを眺めながら、
カーバは今まで彼らがいた場所にゆったり座る。

「あら、カーバ」
「カッサか。
見回り終わったぞ」
「そう。お疲れ様?
あら、鼻から血が流れたの?
こびりついてるわ」
「あぁ、マンカスから攻撃食らったからな」
「あら、珍しい」
「精神的のな」
「そっちね。マンカスから乱暴な事する訳無いと思ったから
不思議に思ったわ」
「あぁ、そうだろうな」
「可愛いわよねー、マンカス。
成長したら楽しみよ」
「確かにな」
「あら、手を出す気なの?」
「さぁね…手を出したら
色んな奴に殺されそうだから止めとこうかな」
「確かにそうね。
彼が成長したなら、
ランパスやタガーはもっと成長してるはずですから」
「はぁ…あいつらが成長すると思ったら
気分が落ちるな」
「あら、私としては
タガーは良い男にはなると思うわよ」
「やめておけ…」

カーバは盛大なため息をついて
澄み切った空を眺めた。


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