3番地

□ふぁみりぃ
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「腹減ったー…」

ラム・タム・タガーはふと呟くと、昼寝から起き上がる。
誰の家に行こうか。
考えていると、やっぱりあいつの顔が浮かぶ。
迷惑そうな顔をしながらも、
食事を与えてくれる、
想いを寄せる隊長猫の顔が。

「おい、マンカス!いるか?」
マンカスの家の前に立ち、
大声でマンカスを呼ぶ。
すると、とても可愛らしい白い子猫が窓から顔を出した。

「あっ、タガーお兄ちゃん!」
「よぉ、シラバブ。マンカスはいるか?」
「いるよー」
「おぅ、そうか」

タガーはずかずか遠慮無しに家に入ってくる。

「…タガー、何で来た?
後足音が煩い。俺の家を踏み壊すつもりか?」
「いちいち細かいな。
お前は俺の嫁か?
まぁ、それはそれで俺としては良いが?」
「お前の嫁だけにはなりたくないな」
「…地味に傷つく」
「煩い。で、何の用だ」
「食事しにきた」
「…はぁ。尊大だな」
「これが俺様だかんな」
「はいはい。大人しく座っていてくれ。
バブは手伝ってくれるか?」
「はぁい」

トテテとお皿を持って
マンカスの側に行く。
まるで親子のような光景に
自然と頬が緩む。

「どうした、タガー」
「いや、何でもねぇ」
「…珍しいな。皮肉を言わないなんて。熱でもあるのか」
「ちげぇよ」

タガーは立ち上がり、
マンカスの後ろに立つ。

「何だ」
「いや、お前の料理を見ようと思って」
「座っていろ。邪魔だ」
「えー、マンカス冷たいー」

「なんか、家族みたいだね!」
シラバブが嬉しそうに言う。

「え?」
「だよな、シラバブー?」
「うん!」
「こっ、こら、タガー!!」
「何だよ、ママ」
「〜っ!!黙れ!」

相変わらず、マンカスの家は賑やかだ。

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