3番地

□抜け駆け
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「マンカス♪」
「あぁ、おはよう、タンブル」
朝の見回り途中に
マンカスはタンブルに出会う。
タンブルはタンブルで、
マンカスに会うためにこの時間にわざわざ起きたのだ。
少しウキウキした様子を隠しながら、
マンカスの隣に立つ。

「早いな。いつも通りなんだろうけど?」
「あぁ。タンブルこそ早いじゃないか。
どうかしたの?とても楽しそうだが」
「そうか?
まぁ、マンカスに会えたのがとても嬉しいからかな」
「…からかうな」
「でも、本当のことだし」

顔を近づけて耳元で囁くと、
ボフンッと音が鳴るように
マンカスの顔が真っ赤になっていく。
落とし屋タンブルにかかれば
いつだって誰だって
クラッと来てしまうから。

「…お前、良くこういう事が平然と言えるよな」

甘い言葉を言われ慣れてるマンカスでも、
やはり恥ずかしそうに、目を伏せる。

「俺はマンカスの事、全部が全部大好きだよ」

ニコリと笑いながら少し声を低くして、
頬にキスをする。

「あっ、遊ぶな!」
「遊んでないさ、本気だよ。
さ、早く見回り終えて、
俺んち行こう?
この後は、俺達だけの時間さ」
「………分かった///」

真っ赤な顔で頷いた
マンカスを眺めながら、
これからの2人きりの時間を想像して、
黒い笑みを微かに浮かべながら
タンブルは楽しげに笑った。


「タンブル…抜け駆けしやがって…!!」
「残念だったわね」
「カッサ!」
「まぁ、タンブルのおかげで
同人誌が売れまくってるのですから?
申し訳無いけど我慢してねー」
「同人…誌?」
「あなたは知らなくて良いわ。
じゃあね〜」

さぁ、取り残されたのはどの猫かな?


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