3番地

□ホワイトクリスマス
1ページ/2ページ



「マンカス〜」
「何だ」
「ツリー、用意出来たよ」
「ありがとう、ミスト」
「どういたしまして。
ディミマやヴィク、バブが飾り付けてる」
「そうか。ランペルとマンゴが盗まないように頼むよ」
「はーい」

ミストが走り去った後、
マンゴがフルーツを沢山持ってくる。

「バストファからフルーツ貰ってきたよ」
「すまないな、マンゴ」
「別に気にすんなってー。
ジェニおばさんがアップルパイ作るんだろ?
こっちとしても楽しみだし!」
「そうか。じゃあ、この野菜をジェリロに渡してきてくれ」
「りょーかいっ!」

マンゴが足下軽く行ってしまうと、苦笑をこぼしながら
スキンブルが姿を現す。

「マンゴったら子供だね」
「精神年齢ならランペルと一緒だな」
「全くだね。まぁ、そこが彼の取り柄かな」
「ははっ、それは同感」
「でしょ?
ところでマンカスは仕事は一段落ちついてる?」
「もう少しかな」
「じゃあさ、今日パーティーの間少しだけ、
一緒に電車のイルミネーション見に行こうよ」
「…抜けられるか?」
「大丈夫!デュト様には言ってあるし、ちょっと抜ける程度なんだし、
僕、頑張るから!!」
「そ、そうか」
「折角雪降りそうだし、
マンカスに絶対見て貰いたいんだ」
「…分かった。スキンブルがそこまで言うなら」
「ほんと!良かった…」
「じゃ、仕事終わったばかりで申し訳無いけど、
テーブルの設置、手伝ってくれるか?」
「はーい」

聖夜の為のパーティーは皆の手伝いのため
すぐ用意も終わり、
早い時間から始まっていた。

「トイレ行ってくる」

スキンブルの目線に気づき、
マンカスはこういって、誰にも疑われずに外に出る。

「マンカス、ありがと」

すぐスキンブルも出てきて、
嬉しそうに言う。

「早く行こ、皆にバレたら嫌だから」
「あ、あぁ…」

聖夜に金色の猫と黒と銀色の猫が街を駆けていく。

「さ、着いた」
「うゎぁあ…」

二匹の前には、電飾に包まれた列車が現れる。
色とりどりの光が
どんどん二匹を取り囲む。

「すごいな!…うわあ…」
「すごいでしょ?絶対マンカス喜ぶと思って」
「ありがとう、スキンブル!」
「どういたしまして。
こっちこそ、マンカスが来てくれて凄い嬉しかった」
「…綺麗だ…」

軽く30分はいただろう。
そろそろ、とスキンブルはマンカスに言う。

「見飽きないとは思うけど、
そろそろ帰ろ?」
「あ、そうだな…
本当にありがとう。
スキンブル」

本人としてはめちゃくちゃ恥ずかしかったに違いない。
真っ赤になりながら、
そっとスキンブルの頬にキスをした。

「マンカス…ほんと君って可愛いよね。」
「え?」
「何でもない。
じゃ、帰ろっか」
「あぁ」

お互い、自然に手が繋がれる。

「雪だ」
「え?」

マンカスが呟いた瞬間、
スキンブルの額に冷たい粒が軽く降る。

「まさにホワイトクリスマス」
「綺麗だな」
「2人だけで良かったね」
「あぁ」
「…帰ろ」
「うん」


あとがき→
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ