小説

□離れないでいよう
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離れないでいよう


※シリアス&紅い蝶リメイク記念パロ

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『ずっと…一緒だよね…約束だよね…』

弟の祐希がリビングにある大きなテレビで、ホラゲーをしていた。

内容は…双子の姉妹が村に迷い込み、儀式に関わっていく…みたいな内容だった。

「ねぇ、」

ソファ-に座って隣で見ていた俺に祐希は話しかけてきた。

「俺たちがもしこの村に迷い込んで、儀式で悠太が俺を殺さなくちゃいけなくなったら、どうする?」

あくびをひとつし、ゲームを見つめながら祐希は俺に聞く。

「村と俺、どっちを取る?」

確かこのホラゲーは虚と呼ばれる大きな穴から出てくる障気を村から守るために、双子の巫女、姉が妹を殺し虚から出てくる障気を塞ぐ…という内容だった。

「俺は、祐希をとるよ。絶対」

「…ふーん」

一瞬ピクッとした祐希だが、すぐまたあくびをしながらゲームを見つめていた。


『いつまでも一緒にはいられない』


しんとしたリビングに響くゲームの音声。
俺は無意識にゲームを夢中で見ていた。

『だから…いいよ、ころして』

そうゲームの女の子が言う。
一緒にいられない。
それは身体的な意味でもあり心でもある。
それは双子である俺たちが良く知っていること。

生まれた時からいつも一緒で、いつも想いも一緒だった。

でもいつか祐希とは別々の道を歩む。

「なんでころしてほしかったんだろーね」

祐希は答えを求めていないかのような、むしろ答えを分かっている口調で俺に問いた。

「さぁね」

俺には分からない。
ゲームの中の彼女の気持ちも、祐希の今の気持ちも。

ずっと一緒に生きてきたけれど、やっぱり分からないことだらけだ。

だから…

「祐希、」

「んー?」

「俺は祐希が自立するまで離れないから」

「……ん、」

リビングの窓から差し込んできた、暖かな日の光が僕らを優しく包んだ、そんな昼の話。


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▼あとがき
紅い蝶リメイクパロ(?)です!
ほとんど台詞しか出てないけどねw
祐希と悠太のシリアスな話でした


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