紅い桜は鬼の如く……

□拾漆
2ページ/45ページ




井上「はははっ、孫のようだ」


『源さんがですか?そんな歳でしたっけ?』


井上「土方君から見てお父さん、という感じの歳だよ。充分お祖父さんだ」



私を抱き込みつつ言う源さんに文句を垂らす。



『源さんは新選組の人ですよ?歳なんて関係ないはずです!』


井上「はははっ、本当、君みたいな孫がほしいよ」



冗談めいた声でいうが、



『じゃあ、私が源さんの孫になります!!』



私は真面目に言い返した。



驚いたのか目を少し見開くが、すぐに目を細めては私に笑いかけた。



井上「それは嬉しいよ」



声も優しい源さんに、もう一度ぎゅっと抱き着いた。






_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ