紅い桜は鬼の如く……
□拾漆
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井上「はははっ、孫のようだ」
『源さんがですか?そんな歳でしたっけ?』
井上「土方君から見てお父さん、という感じの歳だよ。充分お祖父さんだ」
私を抱き込みつつ言う源さんに文句を垂らす。
『源さんは新選組の人ですよ?歳なんて関係ないはずです!』
井上「はははっ、本当、君みたいな孫がほしいよ」
冗談めいた声でいうが、
『じゃあ、私が源さんの孫になります!!』
私は真面目に言い返した。
驚いたのか目を少し見開くが、すぐに目を細めては私に笑いかけた。
井上「それは嬉しいよ」
声も優しい源さんに、もう一度ぎゅっと抱き着いた。
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