紅い桜は鬼の如く……

□拾陸
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永倉さん、原田さん、斎藤さんに沖田さん。それに私と千鶴ちゃんで中庭の物陰からそっと玄関の様子を窺っていた。


山南さんは廊下に立ったままだ。




永「あれが伊東さんだ」


『……噂だともう少しカッコイイはずなんだけど』



顎をしゃくる永倉さんに率直な返答をすると、沖田さん以外は苦笑いしていた。




斎「伊東さんは尊王攘夷派の人間と聞いたが、よく新撰組に名を連ねる気になったものだな」


原「長州の奴らと同じ考えってことか。そんな人間が俺らと相容れるのかね」


『まぁ、ものは試しっていうじゃないですか』


永「なんだ、他人事じゃねぇか」


『……結末を知っている身にとっては、時代が動かないようにするために大事なことなんですよ』



「「「………」」」




そういえばそうかと皆納得していたが、表情が暗くなった私に、皆は少しうろたえていた。








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