紅い桜は鬼の如く……
□玖
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山南「それと、ひとつ頼みたいことがあります。聞いてくれませんか?」
山崎「はい」
山南「秋桜君、雪村君との同行を」
山崎「っ!」
『山南さん………』
千鶴「わ、私たちがですか?」
山南さんは今一番の最善の策と、私が今一番望んでいた言葉を言ってくれた。
山崎「山南総長、お言葉ですが、私一人で十分だと……」
『わかりました』
山崎「っ!?」
山南「秋桜君、敵が足止めをしてくるはずです。山崎君の言うことに従うように」
『はい!!』
決定したのであればじっとしてられない。
『山崎さんと言いましたね?宜しくお願いします!!』
山南「山崎君には会津藩や所司代へも通達してもらわねばなりません。お願いします」
山崎「……わかりました」
『千鶴ちゃん!行こう!!』
千鶴「は、はい!!」
少々置いてき気味だった千鶴ちゃんと、渋々だった山崎さんを引っ張り、屯所からそそくさと出た。
今日の月は、満月だった。
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