紅い桜は鬼の如く……

□玖
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『貴方、薬売りの……』


山南「おや、観察力のある方だ」



いつも巡察していたときに見かけていた薬売りの人だった。


山崎烝さんというらしい。
中肉中背、いたって普通の男性だ。



山崎「本命は池田屋との報せが入りました」


山南「池田屋!?」




『池田屋には十人しか行っていませんね』


千鶴「……!」


山南「私としたことが……見誤りました。秋桜さんのいうことを聞いておけばよかったですね」


『私のはただの直感ですよ。それより、早く知らせないと短気たちが討ち入りしちゃいます。十人で討ち入りしたらどうなることか……』


山南「えぇ。危ないところじゃありませんね。死人無しに済むとは思えません」


山崎「すぐに土方副長のいる四国屋へ伝えにいきます」




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