紅い桜は鬼の如く……
□肆
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永「おぅ、来たか」
『………』
原「どうした?腑抜けた顔をして?」
『いえ、こんな感じて食べるんだなぁと思いまして……』
みんな一つの部屋で食べている。
食事も交代で作っているらしい。
だからか、
『い、いただきます………』
パクッ
『……味、濃すぎます』
沖「魅也ちゃんって素直だよね」
こんな感じで美味しかったり、美味しくなかったりする。
私のお母さんよりマシだけど。
素直に言った感想に沖田さんは苦笑いした。
『……あの、今度から私が作りましょうか?』
沖「魅也ちゃんが?」
藤「魅也って料理出来んのか?」
藤堂さんの軽く失礼な言葉にムッとしながら言い返す。
『小学生からやってますもの』
藤「しょうがくせい?なんだそれ?」
『あ……』
そう言えば学校もないか。寺子屋はあったと思うけど。
『えっと……七つの時からです』
藤「ほへぇ〜」
少し見直したという顔だった。
でも、斎藤さんは、
斎「食事当番は皆でやると決まっている。今甘やかすな」
と、まぁ固い事を言う。
規則なんだったしょうがないんだろうけど……何もしないのに生きてるというのはなんとなくよろしくないと思うのです!!
『なら手伝います』
千鶴「手伝いって………」
『私はここにいるなら何かやりたいんです。女中だと思っていただければいいです』
斎「………」
斎藤さんもさすがに困った顔をした。
沖「魅也ちゃん。話すのはいいけど、しっかり食べてね。そのために今ここにいるんだから。近藤さんに何を言われたか知らないけど、今は食べて」
『……はい』
沖田さんはまだ食事に一口しか手をつけてなかった私にそう言うと味噌汁を啜った。
その姿を見て私も味噌汁を啜った。
『薄っ……』
沖「本当に正直だね」
ご飯の美味しさというのは士気にも関わると思うんだけど。
『味見、ちゃんとしましたか?』
原「それは俺だ。味が濃かったから、水を足したんだけど、もう一回味見する前に新八に急かされてな。そのまま出しちまった」
『原田さん、最初どれだけ濃かったんですか』
私がツッコミを入れる度に、みんなは笑う。
苦笑いしている奴もいるけど。
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