紅い桜は鬼の如く……
□肆
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―――――。。。
死ぬのは……怖い。
『っ………』
千鶴「魅也さん?泣いているんですか?」
『千鶴ちゃん?』
あれからしっかりと寝てしまい、もう朝である
千鶴「夢でも見てたんですか?」
『……のような気がする』
何か不思議な夢を見ていたような気がする。
思い出せないけど。
ぐぅ〜
千鶴「『あ………』」
千鶴「お腹空きました?」
『三日ぐらい食べてないや』
千鶴「本当ですか!?魅也さんは寝てて下さい!今、皆さんに食事を頼んで来ますから!!」
嵐のような勢いで私を寝かせると、素早く部屋から出ていった。
あまりの早さに少し苦笑した。
腰に差してあった刀は頭の上の枕元に置いてある。
この刀は妖刀だったなんて……
あの時は本能で喋っていたからわからなかった。
身の毛がよだつ、自分の気迫にまいっていた。
なんであんなこと言ったのだろうとか、あのなんとも言えない力は何なんだろうとか……そんなことが浮かんでは消える。
ガラッ
千鶴「魅也さん、皆さん今から食べ始めるそうなんですけど、起きれますか?」
凄く心配そうな顔をした千鶴ちゃんは恐る恐る私に近づいてきた。
『私は病人じゃないよ。それぐらい大丈夫。でも、土方さんたちが許さないんじゃない?一応間諜だと思われているんだし』
千鶴「それは何だか大丈夫らしいです。今、土方さんと近藤さんは大坂に遠征に行ってしまったという事で」
土方さんたち行っちゃったんだ……
まだ近藤さんに謝ってないし、土方さんにもお礼を言いたかったのにな。
千鶴「魅也さん?」
『え?あぁ、行こうか』
千鶴「はい!」
あまり食べたくなかったが、断れば千鶴ちゃんが怒るだろう。
仕方なく布団から出た。
布団から出ると、千鶴ちゃんは私の肩を抱いて立たせてくれた。
意外にもフラフラしてしまった事に驚く。
廊下を歩いていると冥と白がこちらをジィ〜っと見ている。
ご飯、あげないとな……
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