紅い桜は鬼の如く……
□拾参
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―――――。。。
『ん……』
目を開けると、私は布団の中にいた。
近「気付いたかい?」
『……近藤さん?』
明かりが無い部屋は、声で判断しなければならない。
近「よくわかったな。体調はどうだ?悪くないか?」
『……悪くはないんですけど、私、何してたんですか?』
斎藤さんに寄り掛かっていたのは記憶にあるんだが、それから先が思い出せない。
近「一が魅也君を運んで来たんだよ。疲れたようだから眠っていると」
『……そうでしたか』
近「それから二日間目を覚まさなかったんだ。心配したよ」
『え!?』
天王山からここまでどれだけ遠いのか……
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