紅い桜は鬼の如く……
□拾壱
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〜元治元年、七月〜
ザーッ!!!
千鶴「………よく降りますね」
『まぁね。梅雨がまだ開けてないのかな?』
千鶴「梅雨、ですか?」
『あ、気にしないで』
千鶴「洗濯物が乾かないので困ります」
『この前なんて干し終わった直後に雨が降ってきたもんね』
千鶴「はい。すぐに取り込む羽目になりました」
道場に向かう道も面倒な雨の強さ。
今はまだ3時30分ぐらいだったから、道場へ行くにはあまりにも早過ぎる。
二ヶ月程早いはずなのだが、こっちの世界とピッタリなようだ。かと思いきやピッタリじゃなかったり………
トリップした世界は時間が少しばかりズレてるのか。
それとも私が来たせいなのか。
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