紅い桜は鬼の如く……
□漆
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〜六月〜
本当は五月末。寧ろ六月。
ある日の朝、千鶴ちゃんと仲良く朝餉を終えて、洗い物をしていると、
藤「おい、千鶴〜。魅也は……いたいた」
千鶴「平助君!どうしたの?」
藤堂さんが台所に顔をひょっこりと出した。
………この二人、名前で言い合うぐらい仲が良かったんだ。
いやいや、そうじゃなくて!
藤「近藤さんと土方さんが呼んでたぞ。居間の方で待ってるって言って来いって使われたんだ」
千鶴「わかった。ありがとう、平助君」
藤「おうよ!」
藤堂さんはそそくさと帰っていった。
千鶴「呼んでいたって、なんでですかね?」
『巡察の話しでもあるんじゃないかな?早く終わらしちゃおっか』
千鶴「はい」
それから、洗い物をパパパっと終わらせると居間に向かった。
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