紅い桜は鬼の如く……
□拾漆
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〜元治二年 一月〜
『冥ー!白ー!……食らえ!』
「キャン!!」
「ニャア!!」
『何!?負けるか!!』
千鶴「何してるんですか!」
『ひゃい!?』
雪が薄くしか積もっていないのに雪合戦(私が一方的に雪玉を投げているだけ)をしていた私たちに向かって、千鶴ちゃんは大声で怒鳴る。
その声と共に屯所が騒がしくなる。
朝稽古が終わったようだ。
道場は老朽化が進んでいたのか、二ヶ月ほど前に穴が開いた。
そのせいで皆稽古は外でやっている。
私が掃除をしていたら穴が開き、その中へ落ちた。
永倉さんに大笑いされて、赤面しながらペチペチ叩いて怒ったのだ。
井上「寒いというのに、元気だね」
『源さん!!』
優しい源さんのことはお父さんのように思っている。
だからすぐに抱き着いていった 。
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