すすめ!

□喧嘩厨とリーダー
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「リルア」


「お。新」





銀髪の間からチラチラと見え隠れするさまざまな色
ダラリと着崩した服装

久しく会うことがなかった三年の新が目の前にいた





「久しぶりだな」



「おぉ。またストレス溜まって荒れてたりしてないか?」




ポンッと
気軽にリルアの頭に手をおく
リルアはそれを甘んじて受けた






「大丈夫だよ。それよりお前は?むやみに喧嘩したりしてないよな?さすがの俺でも構えないぞ」



「大丈夫だってーの。どこぞの喧嘩厨と違って俺らはちゃんと見境つけてっからな」



「喧嘩厨って誰のことだぃ?」



「「…」」






いつの間にいたんだろうか
ケンヤがニッコリと微笑んでそこにいた


銀髪・金髪・朱色髪





カラフルすぎる組み合わせだ








「よぉ…」







ただだらけている新とは違う
ケンヤのまくった袖からはかすかな血を感じ取った




ケンカ帰りだ






だがおかしい
ケンヤの見張り係にはかのストーカー・真を任命したはずである
アイツは一体どうしたというのか







(逃げた?)






いやあり得ない
仮にも副生徒会長だ。それなりの責任感はあるはずである






「…」



「ん。あぁ。お前が俺につけたストーカーなら、あそこで伸びてるよ」







ケンヤがさしたその先では、確かに真がぶっ倒れてピクピクしている



リンを怖がらせた罰だ。ざまーみろ
と思ってはない。うん。断じてない











「アイツ俺が行くとこ行くとこついてきてさー気持ち悪かったから殴っちゃった」





語尾にハートがつきそうな声
聞いてて気持ち悪い





「お前相変わらず気持ち悪いくらいケンカの仕方汚いよな」



「ん?褒めてるの?そーいえばお前のグループ最近おとなしくなってるみたいだけど解散したのかな?」





「どこぞの喧嘩厨のおかげで生徒会長がストレスたまりまくってっからわざと減らしてんだよ」




「あー…」



「リルアに迷惑がかかってる?あぁ、それで怒ってお前が俺に喧嘩をしかけてきてくれたらうれしいのに…」





「うげっ」




「近づくな変態がうつる」




ぬっと伸びてきた手を新がふせぐ
リルアはこの時点で観念した
これはダメだ
この状態になったらもぅ戻れない
喧嘩騒動が起きる前に鎮圧するべきか
それともほうっておくか






「…」





すでに殴りかかりそうな勢いの二人を見て、リルアは静かにため息をついた
この二人の喧嘩はさすがの生徒会長も手に負えない







喧嘩厨とリーダー
その日の生徒会長はボロボロでした

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