平成貴族

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転入生が電波ちゃんでした


学校ではすっごく優しくて、同じ年なのに年上に感じちゃうようなお姉さんオーラの素敵な子なのに



家に帰ると電波バンバン発してるレイラちゃん



彼女が着替えに行ってしまったので今は一人広間で座っている





「……」



しかし、本当にすごい家だ
外も中も、映画に出てきそうなセッティングがしてある
自分が場違いのような気がして、なんだか恥ずかしくなってきた




暖炉の上にある巨大な絵には五人の絵画
あれはレイラちゃんの家族だろうか。
あの紫髪の女の子はきっとレイラちゃんなんだろう



優しそうな目をした女の人と男の人
彼らはレイラちゃんの両親なんだろうか
だとしたらレイラちゃんより小さな二人は彼女の弟妹だろうか






じっと絵画を見つめていたら、後の扉が音をたてた





レイラちゃんかな?




「あっレイラちゃ……ん?」





違う。男の子だ
学ランを着た紫と赤の混じった髪をもつ男の子
弟だろうか





彼は私を見つけて顔をしかめるとずかずかとつ通ってきた






え、何か、起こってる?






「こ、こんにちは!おじゃましてます」




一応挨拶しようと立ち上がる。すると、近寄ってきた彼に腕を掴まれた






「帰れ!!」



「…え」




第一声は帰れ
待って、意味が分からない




「あの馬鹿の友達だろ!帰れ!帰れよ!!」


「あ、あの…」




待って
待って
これは一体どうしたらいいんだ




「騒がしいですね」



反対側の扉が開く
今度こそ、レイラちゃんだ




「あ、レイラちゃん」





振り向いて、固まった




「あら、レイ、おかえりなさい」



「…っ!」


姉の登場に盛大な舌打ちをかまし、乱暴に掴んでいた私の腕を離すと広間から消えたレイと呼ばれた彼



どうやら姉弟関係はうまくいってないらしい






いや、それよりも
問題は今の彼女の姿





「あ、あの、レイラ、様…?」



「え?いやですニノさん。いつも通りレイラちゃんって呼んでください」




コロコロと笑う彼女はどこの貴族だと言いたくなるような上品さ
それもこれも、きっと今の彼女の服装のせいだろう







彼女の部屋着は、ドレスでした

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