A

□記された
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「チェシャ、私、黒の城に行きたいの」

「黒の城?それならここを真っすぐ行くといい」




チェシャ猫が記したのは獣道





記された







「この道を行けばいいのね?」


「道というか…これじゃ真っすぐ進むのは難しいぞ」



ライアの言葉にダイヤの船長は確かにとうなづいた



「大丈夫さ、この木はまっすぐ列を作って生えてるんだ。この木を辿っていけばつくよ。そうだねぇ、木の上を伝っていくのが確実かな」



「木の上って…僕たちはいいけどライア達は大丈夫なの?」



「私は大丈夫だ」


「む、無理無理!できっこないわ!」




だよなぁ
ライアが抱えていってもいいが、正直このドレスでアリスを抱えて安全に飛びまわれるのかと聞かれれば不安だ


もう少し装飾が少なければなんとかなったのだが…無駄にこだわってしまったから仕方ない







「仕方ないなぁ」




ハァとため息が聞こえたと思えば、アリスが小さく悲鳴をあげた




「?」



何事だとアリスを見れば、チェシャに抱きあげられている


「俺が送ってあげるよ。ただし途中まで、川までいけばあとは三人がどうにかしてくれるよ」



「相変わらずキザなことするねぇ」



ケタケタと笑ってキャタがはやし立てる
少しばかり赤くなったアリスは大人しくされるがまま





「決まったならはやく行こう。メアが待ってる」






軽く地面を蹴ってライアは木の上に飛び移った
さぁ急げと下を見ると、ダイヤの船長が何やら手を所在なさげに動かしている




「何をしているんだ、ダイヤ」



「…いや、何でもねえ」


「残念だったね船長ー」


「うるせぇ」






「じゃぁ行こうか。ちゃんとついてきなよ」






アリスを抱えたままチェシャはライアの隣の木に飛び乗った
ダイヤの船長とキャタも木の上に飛び移る






ニマリと笑ったチェシャに、少しばかり嫌な予感がした

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