A

□山賊にて
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「お頭、ダイヤの連中が三人の女を捕まえたようです」


「女?」



「めちゃくちゃ美人でしたぜ…一人はあの…アリスみたいでした」





「!」





ガタリと音がしてお頭が立ち上がる
後で自慢の椅子が転がるのも気にせずにただひたすらに目の前にいる部下をみつめた



「…それは本当か」



「はい」



もし、それが本当なら
アリスを探すかの女王に差し出すと女王が我らに見方してくれるかもしれない
女王の力さえ借りれれば、きっとあの憎々しい海賊をさまらせることができる








「連れてこい!今すぐにだ!!刺客を!送りこめええええええええええええええ!!!!!!!」











山賊にて











「ふぉー…奇麗な海だねぇ」



「ほんと!キレー!!」





のんきなメアリとアリス
ライアはそんな彼女たちを注意深く見つめる


もしまた変なことをやらかして海に落ちられた困るのもあるが、何より不安だった







クラブとダイヤの対立
いつクラブが襲ってくるかわからない状況






「おい。あまり私から離れるんじゃー…」








声を紡いだ瞬間




「!」





ゾワッと嫌な何かが背中をつたった

この感じは良く知っている
母や父に嫌というほど浴びせられてきた






殺気だ










「アリス!メア!!」








私のところにこい!



そう叫ぼうとした瞬間
いきなり現れた謎の黒い軍団








「クラブの刺客だ!船長!船長!刺客です!!」






一気にあたりは騒然としだす
部下に呼ばれ先ほどまで部屋にいたであろう船長が飛び出してきた







「ちっ」






「おい、誰を連れていけばいいんだ?」
「さぁ、誰だったか」
「誰か一人、連れて行こうか」
「そうだ、そうしよう」
「よし、じゃぁ誰にしようか」
「誰にしよう?」





黒の軍団はボソボソと変な会話をしている
一体なんだ
なんだというんだ




何かを話している間にライアはメアリとアリスに近づこうと思ったのだが
間に黒い分厚い壁ができあがってしまい無理だった









「適当につれていこう」









どうやら答えがでたらしい
一斉に飛びかかってきた








「ちぃっ!!!!!!」





「コイツは剣を持ってる。駄目だ」
「強い」







ライアが振り回す剣に黒の壁はひく





「触らないでよ!」





「いたたたたたっ!」
「この娘はだめだ。凶暴だ」




どこから拾ったのか
ムヤミに剣を振り回すアリスに黒の壁はひく











「あぁ、つかまえた」
「さぁ、ひこう」










目的を達成したらしい黒の壁は次々にきえていく




その場にいたはずの一人を共に連れ去ったのに気付いたのは、すべてが消えたあとだった





「…メア…メアリー?」








そこにいたはずの一人が消えた

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