A

□海
1ページ/1ページ

白ウサギを追っていると




海にでた








うみ






正確には海に面している岸壁の上だ
だが、確かに目の前には海が広がっている




「まさか白うさぎ…ここから落ちちゃったんじゃ…」


アリスが心配そうに下を覗き込む
メアリーも続いて覗き込んだ


「もし落ちちゃってたんなら助けないと…!」



あせったような口調だ






こんなときのメアリーは大抵なにか厄介事をしでかす癖がある




「やめろメアリー」



これ以上厄介事をふやすな


そんな意味をこめてライアは制止の声をかけたのだが……きかず









「うわぁぁあっ!!!!!!!」






メアリーが下を覗き込もうと四つん這いになり体重を前にかけた瞬間






ボロリと
奇麗に




手元の崖がくずれた








つまりだ



それに従ってメアリーは落ちていく
しかもだ
さらに悪いことに落ちまいと必死でつかんだのはアリスの腕




「きゃ!」



ライアの腕だったらまだしもアリスの腕だ
アリスもつられて落ちていく




あっという間にライアの視界から二人が消えて
代わりに耳に音がとどいた






「………」








(問題児どもが…!!)






ライアが急いで下を覗き込む
まさか死んでないよな…?なんて不安をもちながら恐る恐る見てみると






「何よあんた達!」
「うわぁ……ぁう…」





落ちたのは帆船の上だったらしい
甲板で見事に海賊らしい人間達に囲まれている




「……」






なんでこんなところに海賊船が…




そんな疑問を持ちながらもライアは二人の問題児を助けるべく地を蹴ったのだった

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ