A

□道
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ライアを先頭にメアリーとアリスが続く
開かれた扉は三人を飲み込むと静かに閉じはじめた




もう戻れないぞ




そぅ言いながら扉は静かにしまっていく




三人はそれを見つめながら
なぜか閉まるのをふせごうとはせずに黙っている




やがて扉が完全にしまると、三人は静かに前を振り向いた


















「長い道だね」

「…おかしいわ。やっぱり私が知ってる国とは違うみたい」

「………来てしまったものは仕方ないだろう。とにかく進もう」




こんなことに巻き込んだアリスをののしってやりたい気持ちにかられたが
今はそんなことしてる場合ではないのだ




どうやったらこの場所から抜け出せるのか




ただそれだけを考えて目の前に広がる道を進んでいくしかない









「メア、私の近くから離れるなよ」

「うん」

「……あ!あれ!!」





アリスが何か見つけたらしい
遠くを指差して目を見開いている




「?」

「白うさぎ!ライア、白うさぎだよ!」





ライアよりも少し目のいいメアリーがアリスと同じ方向を指さして言う





確かに
はるか彼方ずいぶん先の道を白い影がかけていくのがわかる



耳のようなものがあるからにはウサギなんだろうが…









(うさぎは二足歩行だったか?)









興奮している二人をよそにライアの脳内をそんな疑問がよぎった





だがメアリーとアリスはそんなのおかまいなしに走り出してしまう




「あっ!待て!!」







自分達と同じ道をとおってやってきた白うさぎ
きっとあいつを捕まえれば帰る方法くらいはわかるだろう






ライアと同じようにあの二人の脳内はその思いでいっぱいらしい
ライアは仕方ないとため息をついて前を行く二人を追って走り出した

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