A

□とびら
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ようやく落下が終わりを迎えるようだ


だが思っていたような衝撃はこず
フワリと
割れ物を扱うようにして三人は着地した




そこで三人を待っていたのは一つの扉



とびら






「なんだここは…」




カツンと
ライアの靴の音が響きわたった




「上にはいけないみたいだね」



続いてメアリーの絶望の声が響く
その声に自然と視線が上をむいた








かなりの距離を落下していたらしい
小さな星のようにして光がある










確かに上には無理だ
登れない
ライアは登れるかもしれないが他二人が無理だろう





「おかしいわ」




ようやく声を発したアリスにライアとメアリーは振り向いた



辺りをせわしなく見回している






一体どうしたのだろう









「私がきたときはドリンクとケーキがおいてあったの…それを飲まないと通れないような扉だったのに…」





この扉は
今のままで充分通れる



見回す限り




この部屋にはカギがない






小さくなるドリンクも
大きくなるケーキも




置いてない










「・・・とにかく、行くぞ」





戻れないなら進むしかない






ライアは決心したように扉とむきあった



その姿はいつにも増して美しく凛々しい








実に頼もしい





そんな彼女に
恐怖と不安のいりまじるメアリーはしがみつき
アリスも二人の近くへと移った



彼女はちゃんと剣がささっているかを確認すると
たった一つの進むべき道を記したドアノブにてをかけ







ガチャリ








続いて響いた音が物語の始まりを知らせた

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