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□はじまりの朝
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「ま、待ってライア!」

「遅いぞメア!」

「見失っちゃったわ!」



走り始めて時間がたち
とうとう三人は白い物体を見失った




木の近くにぽっかり空いた穴の前で







はじまりの朝






「他に足跡がないな…ここに入ったのか?」


「この穴知ってる…私が不思議な国に行ったときの穴に似てるわ!」




興奮気味にアリスが言う
さぁ行きましょうと言わんばかりにぐいぐいと二人を引っ張り始めた




「え、え、まさかこの穴の中に入るの!?」

「待て、私達は何でこの穴に入らないといけないんだ!ただ興味本位で白い物を追いかけていただけなんだぞ!」


「いいじゃない、行きましょうよ!」




アリスにひっぱられとうとう二人は穴の縁へきてしまった
メアリーは顔をひきつらせ
ライアは呆れたように後を見やる


ただ一人
アリスだけが嬉しそうに目を輝かせている








「私達にこの穴に入る理由がない!」




そうライアが訴えた瞬間









「えいっ」

ドンッ







アリスの笑顔が見えた瞬間
足が地面から離れ
美しかった緑達が視界の上へと移動していく















視界が
さかさまになった
















「お、おち…!!」



メアリーの泣きそうな声が耳をかすめ
上からアリスが意気揚々と飛び込んでくる





「アリス!貴様…!」


「いいじゃない!一緒に行きましょう!」










大体、この穴がその不思議とかいう国につながっている保障はないだろう!





そう叫ぼうとしたがやめた





「…くそっ」




今はとにかく体制を整えよう
落ちた終わりにやってくるだろう衝撃に身を整えることと
先を行く泣きそうな友人を捕まえることに専念しよう





ライアはとうとう諦めた

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