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□太陽の季節
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新しい恋を探して
俺を忘れて
その科白を聴いてから
5度目の夏が来た
私は小さな庭の小さな更地に
沢山の向日葵を植えた
太陽目指して伸びるその姿を見て
(あぁ、今年も貴方を憶えてる)
なんて
ねぇ、貴方以外のイイ男なんて
この世界中探しても
見付かる訳無いじゃない...
元気一杯の向日葵に水を挙げて
独り満足してから部屋に戻る
それが私の日常になっていて
だけど
(あぁ。昨日は久しぶりに夢を見たわ)
「─ただいま」
向日葵越しに
貴方の笑顔を見た
(お帰り。私だけの太陽)