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□小さな嫉妬
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灰皿に溜まる
火を付けて間もない吸殻の数々


何に苛々しているのか
いつもの倍に増えてる眉間の皺





「…、三蔵?」

「・・・・・。」





いくら声を掛けても
返事をしない不機嫌な三蔵


いったい何が気に入らないのか

いったい何に怒っているのか





「何か言ってくれなきゃ、私も分からないよ?」

「・・・・・た。」

「え?」

「朝、何処にいた。」





不機嫌な声で
いつもより低い声で呟いた


今日の朝?

朝は、いつもより早く起きて
三蔵の傍らから抜け出して
八戒と一緒に散歩に行っていた


もしかして…





「寂しかった?」

「・・・・・。」

「朝、私がいなくて寂しかったの?」

「…悪いか。」

「そっか。御免ね…?」





いつもとは考えられない

三蔵のその姿に
つい頬の筋肉が緩む




子供の様な貴方が
可愛いの

(たまにはこんな三蔵もイイ、よね?)






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